一生懸命作った料理を食べてくれない・・・。
同年代のお友達はおかわりしてるのにどうして?
偏食って治るの?
栄養が偏って、病気にならないか心配・・・。
などなど、お子さんが偏食だと不安と悩みが尽きないですよね。
原因を読み解き、対策を考えていきましょう。
感覚過敏という可能性
発達特性を持つお子さんの場合、口に入れたときの食感が嫌で食べられないという場合があります。
私はねばねば、ぬるぬるした食べ物が苦手ですが、お子さんの場合まだ感覚が成熟しきっていないと、
そういった感覚を大人よりも強く受け取ってしまう可能性があります。
例えば、揚げ物のサクサクとした食感が不快、(中には痛みに感じる場合も。)
レーズンパンの、ふわふわとしたパンの中に違う食感が混ざっているのが不快
といった感じです。
療育現場のお子さんでは、サンドイッチやハンバーガーをすべて分解して、具材を別々に食べいる子もいました。
いろんな食感が混ざると、それだけで負担になる子もいるということです。
大人との味の感じ方に違いがある。
大人になってから、甘ったるいお菓子をあんまり欲しがらなくなり、
コーヒーやゴーヤーのような苦みが美味しいと思った経験はありませんか?
昔嫌いだった食べ物や飲み物が、いつのまにか好きになっていた、っていうのもあるあるですよね。
これは、味蕾(みらい)という舌の上にある味を感じる細胞が影響しています。
赤ちゃんの頃一万個ほどある味蕾は、成人する頃には7千個ほどに減少します。
これが、大人と子どもで味の感じ方に違いを生んでいるのです。
子どもに野菜嫌いが多い理由には、大人よりも強く苦みや青臭さを感じているのが原因の一つということです。
なので、野菜を嫌う子が多いというのは自然なこと。偏食や好き嫌いが多くても、お子さんも自分も、責めないであげましょう。
見た目からの影響を受けている可能性
子どもの頃ししゃもの頭を食べるのが怖かったなぁ。
私の知人には、「何品もおかずがあるとしんどい。カレーや丼ぶりのように、1つで完結するものがいい。」と言う人もいます。
咀嚼が苦手な人にとっては、一つ食べ終わっても「まだあるのか・・・。」と憂鬱な気持ちになるようです。
療育現場にいる偏食のお子さんでは、たまごのお寿司にチャレンジしたけど、
「温かいと思って食べたら冷たくて嫌だった。」と教えてくれた子もいました。
確かに、普段食べる料理ってほとんどが温かいですもんね。
偏食があるお子さんに対して、初めて食べるものには、
「これは◯◯な味だよ」
「冷たいけど美味しいよ」などと、
見た目とのギャップを埋めてあげるもの良いかと思います。
過去の経験からの思い込みや、特性からのこだわり、マイルールなど、要因は様々です。
イライラしないコツとしては、そういった特性を理解し、普通や常識に囚われないことです。
憂鬱な時間になっている可能性
感覚過敏による刺激や、苦手な味を強く感じている可能性があるとすれば、子どもにとって食事は試練です。
そこに加え、大人から「早く食べて」や「好き嫌いはだめ」と叱られてしまっては、
食事の時間は始まる前から憂鬱な時間になっている可能性があります。
それが365日、一日三回続くと思うと、相当なストレスです。
子どもの将来や健康を想って一口言いたくなる気持ちは痛いほどわかりますが、
プレッシャーにならないようにやんわりと見守ってあげてはいかがでしたでしょう。
偏食のある子への関わり方
では、偏食や発達特性のあるお子さんに、どの様に関わっていけばよいでしょうか?
順番に見ていきましょう。
形にこだわらない
前述したように、サンドイッチでもバラバラにすれば食べられる。
ある特定の食べ方なら食べられる、というのがあります。
幼少期に大切なのは、「成功体験」です。
お母さんに叱られないという安心があれば、少しずつ、
「大好きなママ、パパやお友達が食べているものも食べてみようかな。」という気持ちが芽生えてくるかもしれません。
まずはその芽を摘まないように、焦らず優しく受け止めてあげましょう。
安心する・楽しい環境をつくる
何よりも大切にしたいのは、強制しないこと、叱らないこと。
無理強いをしてしまうと、今まで食べれていた食材まで食べられなくなる、といったことも起こりうります。
子ども自身から「食べてみようかな」と思える環境を作ってあげてください。
具体的には、
・一緒に買物に行く。
・野菜が苦手なら、一緒に育ててみる。
・一緒に料理をする。
・味付けを薄味に、または食べやすい味付けにする。
・ポジティブな言葉がけを心がける。(例:ヒーロー好きなら◯◯みたい!など)
・どのくらい食べるか量を決めさせてあげる。(例・一口だけ、など)
・ままごとや絵本を通して、興味を持ってもらう。
・見た目を楽しく
などがあります。
私は幼少期、豆腐とうどんしか食べなかった子どもだったそうです。笑
(今でも時々ネタにされるほど笑)
わかりやすく「白いものしか食べない子」でしたね。
保育園の記憶ってほとんど無いですが、先生が親に「今日◯◯が食べられたんです!」と
興奮気味に報告していたのを覚えています。
先生も親も自分のことのように喜んでくれていました。
ちなみに大人になった今、食べられないものはほとんどありません。
今は不安で心配かもしれませんが、いつしか笑い話になる日が来るかもしれません。
原因を探ってみる
どうして嫌なのかを聞いてみるのも効果的です。
まだ小さいお子さんだと言語化するのが難しいこともあるので、
こちらから「苦かった?」「サクサクが嫌だった?」などと聞き出してみるのもオススメです。
お子さんの場合、「しょっぱい」を「すっぱい」などと、知っている言葉で表現することもありますので、全てを鵜呑みにはせず、意図を汲み取ってあげてください。
焦らずゆっくりと
私が出会ったお子さんの中には
「6歳になったら◯◯頑張るねん」と言っている子がいました。
私は年長のころ周りの影響で、一人称を「◯◯ちゃん」から「わたし」に変えました。笑
自分の中でお兄さん・お姉さんになるタイミング、友達の目が気になるタイミングは様々です。
周りと比べず、お子さんのペースに合わせてあげましょう。
まとめ
お子さんによって、偏食の原因は様々です。
その子に合わせて、食べられるものが増えるようにアプローチしてあげてください。
一歩踏み出せたときは、当たり前と思わずめいいっぱい褒めてあげてくださいね。
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