放課後等デイサービスってどんなところ?疑問を全て解説!

子育て・療育

はじめまして、放課後等デイサービスで児童発達管理責任者をしているYama先生です。

お子さんの発達に気になるところがあったとき、3歳児検診や通っている園の先生に「療育を受けてみては?」と勧められることがあります。

その『療育』を受けられる場所が放課後等デイサービスです。

学童保育や放課後児童クラブを連想される方もいるかと思いますが、全くの別物

その中身を詳しく見ていきましょう。

この記事でわかること

児童デイサービスや放課後等デイサービスがどんな所か、

よくある質問・疑問をまとめました。

見学に行く前に疑問を解消することで、安心して施設選びをしていただけます。

未就学児童なら児童デイサービス、小学生〜高校生は放課後デイサービス

発達障がいや、グレーゾーンのお子さんが療育を受けるために通える施設は、

大きく分けて3つあります。

①児童デイサービス(未就学児童が対象)

②放課後デイサービス(小学生〜高校生が対象)

③放課後等デイサービス(①と②の複合型)

③の場合は、3歳〜18歳のお子さんが通えるため、様々な年齢のお子さんが通っていることになります。

受給者証を取得している方が対象となり、療育手帳は持っていなくても通うことが可能です。

受給者証は医師の診断や、発達障がいと診断されていなくても意見書などがあれば取得が可能です。

学童保育や放課後児童クラブとは別物

学童保育や放課後児童クラブは、保護者の就労などで面倒を見ることが困難な場合に放課後に行くことができる施設です。

こちらは発達の程度などは関係なく通うことができますが、放課後等デイサービスは発達の遅れがある、発達障がいだと診断がされているお子さんに限られているという違いがあります。

どんな資格を持っている人が在籍しているの?

放課後デイサービスのガイドラインでは、以下の人員の配置を必須としています。

運営管理責任者 いわゆる店長。店舗の経営業務を中心に行います。

児童発達支援管理責任者 実務経験5年以上と研修を受けた人のみ対象。個別支援計画書を作成し、児童の療育の方針をチームに指示します。名前が長いので児発管と呼ばれます。

保育士 保育士や幼稚園教諭の資格を所有している人。

指導員 小学校教諭などの資格を持っている人。

機能訓練指導員 作業療法士、理学療法士、言語聴覚士、心理指導担当職員などの資格を所有している人。

どんな子が通っているの?

放課後デイサービスには、様々なお子さんが通っています。

例えば一口に小学生と言っても、普通級、支援級、一部抽出で授業を受けている、支援学校不登校児などといった感じです。

診断名(自閉症、ADHD、LD、ダウン症)がついているお子さんから、グレーゾーンのお子さんまで、

様々なお子さんが通われます。

年齢は放課後等デイサービスなら、3歳〜18歳のお子さんが通うことができます。

子育てママ
子育てママ

子どもと発達や年齢が近い所に通わせたいな

子ども博士
子ども博士

いろんな子が通っているから、合わない子もいるかもね

中には重度のお子さんを見て敬遠される保護者の方もいますが、全て希望通りの施設を選ぶのは難しいかもしれません。

通ってみてどうしても相性が合わない子がいる場合は、施設と相談し別の曜日が利用できるか聞いてみるのもよいでしょう。

教室には何人くらいの職員が所属しているの?

店舗により若干の差はあるかと思いますが、私が所属している施設では、常時5〜6人の職員が出勤をし、約15名の児童の見守りをしています。

とはいえ、送迎サービスを行っている施設では、送迎のため現場を離れることもあるため、常にその人数で子どもの見守りをしているわけではありません。

子育てママ
子育てママ

じゃあ送迎者を雇っている施設の方が安心ってこと?

子ども博士
子ども博士

一長一短な所があるのが正直な意見かな

確かに、送迎の職員を雇っている施設は人員に余裕が出るかもしれませんが、

その場合子どもの送り渡しの時に、現場の職員から直接子どもの様子が聞けないというデメリットがあります。

どちらの方が良い、という正解はないので、自分や子どもにあった方を選ぶといいでしょう。

放課後等デイサービスではどんな療育を受けられるの?

結論から言うと、施設によります

私が勤めている施設は以下のような感じです。

・学習支援(宿題、読み書き、計算)

・SST(ソーシャルスキルトレーニング)

・LST(ライフスキルトレーニング)

・発語訓練

・運動療育

・手先の訓練

・性教育

・余暇活動

・集団行動練習 などなど

施設によって取り組んでいる内容や、強みにしている療育や方針は違いますので、気になる場合は問い合わせや見学の際などに聞いてみるのもオススメです。

放課後等デイサービスのスケジュールって?

こちらも施設によって違いはありますが、だいたい9時〜10時にオープンし、

17時〜18時ごろまで営業をしています。

通っているお子さんの一例をご紹介します。

【放課後デイサービスに通う小学生のスケジュール一例】

8:30〜14:30 学校 (施設職員はミーティングや療育準備、事務作業など)

14:40 送迎者が学校へお迎え。担任の先生から校門前または教室で引き渡し。

14:50 放課後デイサービスへ到着

15:00 おやつ

15:15 宿題

15:45 余暇活動

16:30 療育

17:00 帰宅(保護者がお迎え、または自宅やショートステイまで送迎)

未就学のお子さんの場合は、宿題の代わりに療育や集団活動などが当てはまります。

通っている間の様子は連絡帳に記載をしますので、どんな療育を行ったか、

どんな様子だったか、なども知ることができるので安心です。

何時間くらい通うのがいいの?

通う時間は1時間くらいでもいいですか?という質問をいただくことがありますが、正直に言うとあまりオススメしません。

理由は、十分な療育を行い友達や職員と関係を築くには短いからです。

例えば1時間だと、

10分で来所後のルーティン(手洗いや荷物のチェックなど)

10分でおやつ

15分で療育

15分で友達や先生と遊ぶ

10分で帰る用意

というタイトなスケジュールになってしまいます。発達特性がある場合、切り替えが苦手な子もいますし、放課後だと疲れていることも多いので、このようなスケジュールでは上手くいかないことも予想されます。

最低でも1時間半、余裕がある場合は2時間〜3時間ほど滞在できると、十分な療育と、

子どもも満足のいく余暇活動ができるでしょう。

週にどのくらい通えばいいの?

オススメは週に2〜3回です!

療育を行う福祉施設では、半年に一度の頻度で個別支援計画書を作成します。

こちらは5領域に沿って目標を決めており、半年に一度、保護者と面談を行う際に目標を決定します。

つまり、5つの目標に沿った療育を日々施設では行っています。

そして時間や子どもの体力的にも一回の利用で5つの課題を行うのは難しいため、

一回の利用で行える療育は1つ〜2つだと思います。

そのため、月に数回や週に1回のペースだと1つあたりの目標に対し、半年間で数回しか療育を受けられない計算になります。

期間が空くと療育の効果が薄れる

週2〜3回の利用をオススメするもう一つの理由が、期間が空く=習得に時間がかかるからです。

例えば靴紐を蝶々結びできるようになるのが目標のお子さんがいた場合、

一週間経ったとき前回練習した内容をどのくらい覚えていられるでしょうか?

おそらく、ほとんどリセットされているかと思われます。(家でも毎日練習していれば別ですが。)

記憶がリセットされる前にもう一度練習を行えれば、習得がしやすくなります。

場所見知りや人見知りがあるお子さんも、一週間に一度のペースだと慣れるのに時間がかかるかもしれません。

このような理由からも、週に2〜3回の利用をオススメします。

とはいえ、お子さんに合ったペースや希望もあるかと思いますので、無理なく続けられる頻度が大切ではあります。

人気の施設の場合は空き状況も関係するため、空き状況に余裕がある場合は参考にしてみてください。

料金はいくら掛かるの?

原則1割負担で利用することができ、形態は3パターンです。

・未就学児(満3歳になって初めての4月1日から3年間) 0円

・生活保護受給者 0円

・世帯収入 920万円以下 4,600円

・世帯収入 920万円以上 37,200円

上記のいずれかの上限額が受給者証取得の際に決定します。

仮に月に31回利用したとしても、上限額を超えて請求される事はありません。

(イベント費などを別途請求している施設の場合は別です。)

どんな所を選べばいいの?

令和4年時点で全国に2万箇所ある放課後等デイサービス。

どのように選べば良いのか、通っている人はどのように選んでいるのかを解説します。

選ぶ理由で人気なのは通いやすさ

通われている方から聞く施設を選んだ理由の1つが、『通いやすさ』

「何かあったときにすぐに駆けつけることができるから。」

という意見をよく耳にします。

発達障がいや特性を持つお子さんの中には、衝動的な行動が見られる場合があります。

万が一教室からの飛び出しや、教室内で怪我をした時、すぐに駆けつけられると安心ですよね。

「仕事場から家の間にあると、帰りに迎えに行けるから。」という理由で選んでいる方もいます。

お子さんがお父さん・お母さんが迎えに来てくれることを希望しているのであれば、

そういった場所を選ぶのもいいですね。

ニーズと合っているか

希望しているニーズとデイサービスの提供内容が合っているかももちろん重要です。

施設選びに迷っている方は、以下を参考にしてみてください。

・通いたい曜日に空きはあるか

・何時から何時まで預かってくれるか

・希望している療育は行っているか

・通っている子どもの年齢層は、自分の子と合っているか

・土日祝も営業しているか

・送迎をしているか

・教室の雰囲気は良いか

・子どもと相性が良さそうか(興味のあるプログラムをしているか)

・専門職職員がいるか(言語聴覚士がいるか等)

・重度の子も受け入れが可能か など

全ての希望を満たすデイサービスを見つけるのは難しいかもしれません。

優先順位をつけ、妥協できる部分はどこかを自分の中で見つけておくと、

スムーズに施設選びを行う事が可能です。

ダメな放課後等デイサービスの見分け方

大事な子どもを質の悪いデイサービスには通わせたくないですよね。

働いていて実際に聞く話や見極めポイントをご紹介します。

・テレビやYouTubeばかり見せている

・合理的配慮がなされていない環境設定

・職員の言葉遣いや子どもの扱いが雑

・「今忙しいから」と、子どもの希望や要望を聞かない

・怪我や忘れ物の連絡が無い

・帰宅後の子どもの表情が暗い、不安定だ

見学や体験に行っただけでは見えない部分もあるかもしれませんが、引っかかるポイントがあれば注意しましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

施設へ見学に来られる方からよく聞く質問を集めました。

お子さんに合った施設が見つかり、楽しく通えるようになりましたら幸いです。

疑問点などありましたら、コメント欄にてご相談ください。

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